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定山渓温泉街にある個性的な店名の「シウマイハヤマデタベルモノ」。
その名の通りシュウマイの専門店ですが、実はシュウマイ以外にも楽しめる「木彫り」が待っているのだそう。
こだわりのシュウマイと定山渓ならではの「木彫り」。一体どんな理由でユニークなお店ができたのか、取材しに行きました。
定山渓温泉街入り口から徒歩約6分。湯けむりただよう道を歩いていると見えてくるのが白地に赤文字のユニークな看板。
ラーメン屋のようにも見えますが、実はシュウマイの専門店です。
店名に「ヤマデタベルモノ」とありますが、登り坂の途中くらいの位置にあるので、気軽に足を運べます。
全国でも珍しいシュウマイ専門店ですが、のれんにはさらに「木彫り」の文字が。
シュウマイと木彫り、なかなか結びつかない2つが店内で楽しめるということ?と、不思議に思いながらワクワク感が高まります。
店内に入ると、すぐに木彫りの熊が登場。木彫りとは、北海道土産でよく見かける「木彫りの熊」のことでした。
迫力ある木彫りの熊がお出迎えしてくれますが、店内は8席のカウンターのみのシンプルなつくり。さっそくシュウマイを注文してみます。
シュウマイ専門店というだけあって、食事メニューは「ジンジャーシウマイ」、「ペッパーシウマイ」、「エゾ鹿シウマイ」とライスだけ。道産小麦の特注皮に餡がたっぷり詰まっています。
来店した日は「ラム肉のシウマイ」がありましたが、こちらは期間限定品。今後も期間限定のメニューが販売される予定だそうですよ。
蒸し立てを提供するのが同店のこだわりのひとつ。
「蒸し上がるまで10〜15分かかるので、ビールを飲んだり、木彫りの熊をみていてください」と店主の大村さん。
店内には手乗りサイズの木彫りの熊が並ぶショーケースがあり、ドアで繋がっている隣の部屋には約200個の木彫りの熊が展示されているといいます。
気になるところですが、先にシュウマイをいただきましょう。
アツアツのペッパーシウマイをひと口食べると、まず驚くのはふわふわな柔らかさ。
市販のシュウマイは固めに成形されていますが、こちらは食べると具がほぐれるように口の中に収まります。
具の配合は秘密とのことですが、柔らかすぎることもなく、絶妙な触感でした。
野菜と適度な肉の食感を感じながら、ピリリと効いてくるブラックペッパーのアクセントも魅力的。
素材の味を引き立たせる絶妙な味付けで、次々と食べ進めてしまいます。
テイクアウトも好評で、ジンジャーシウマイ、ペッパーシウマイ、ミックスシウマイは6ヶ950円で販売。「エゾ鹿シウマイ」は1ヶ250円から注文可能です。
看板同様、パッケージも個性的!店名や個性的なロゴの由来を店主にお聞きしたところ、「開店最初は本当に山の中に店があり、その山の中から宇宙人のような声で『シウマイハヤマデタベルモノ』と聞こえるイメージでデザインをしてもらいました」とのこと。
パッケージは赤とシルバーの巨大化する特撮ヒーローにインスパイアされているそうですよ。
店の隣のギャラリーには、所狭しと並ぶ木彫りの熊が!多くは大村さんが集めたものだそうですよ。
大村さんはたまたま手に入れた木彫の熊に魅了され、その後道内各地を巡って収集。
定山渓でもお土産品としてたくさん売られていた木彫りの熊を、「北海道の文化」として楽しむという新しい視点で展示しています。
名人と呼ばれる作家達の高齢化で、一時は衰退の一途を辿っていた北海道の民芸品の木彫り熊。
最近は若手の作家もぽつりぽつりと現れはじめ、現代風な作品も展示されています。もちろん購入も可能です。
この道50年以上という作家の、ざっくりとシンプルに掘られた木彫り熊。なんとも味わいのある表情がたまりません。
若い頃の作品も見せていただきましたが、逆に細かく掘られたリアルな熊でした。この作品は70歳も過ぎた熟年期に掘られたものだそう。
技巧に頼らずとも木彫りだからこその良さをじっくりと感じられる熊に、思わず魅了されました。木彫りの熊の世界、奥が深い。
北海道観光が一世を風靡した時代に、飛ぶように売れたという木彫り熊。
観光業が下火になると木彫り作家も段々と人数を減らし、技術や歴史を受け渡す若手が限られるようになってしまいました。
大村さんは「売り物として散逸した作品をこれからも少しずつ集めたり、若手作家さんの作品を置いたりして、たくさんの人にみてもらいたい。北海道の木彫り熊の文化を残し、後世に伝えられたら」と語ってくれました。
「定山渓といえば、シウマイと木彫り熊」、そんな楽しみのある場所であって欲しいと語る店主の大村さん。
こだわりのシュウマイは黒胡椒や生姜が効いた餡が道産小麦の皮に包まれており、その食感はふわっと柔らか。蒸し立てを提供しており、テイクアウトとしても人気です。
新人作家から名人と呼ばれる作家作品まで約200個の木彫りの熊が陳列されたギャラリーも併設。大村さんの好きが詰まった、ここだけの食と文化の体験が待っているお店です。
【住所】札幌市南区定山渓温泉東4丁目377
【駐車場】なし
【営業時間】10:00~17:00(売り切れ次第閉店)
【定休日】水曜日
【お問い合わせ(電話番号)】070-1120-8558
【公式サイト】https://www.instagram.com/shiumaiwa/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
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